日本と欧米の規制と同等、もしくは超える水準にプロセス安全管理の目標をおいて、「プロセス安全管理のガイドライン」を作成してほしいという希望が複数の企業から出ている。 一方、Metrics WGのreportが今年3月に、Risk-Based Management for Process Safetyの翻訳も今年夏末に終了見込みである。各企業でも何らかのSafety Managementを構築している。 しかし、それらは海外で理解を得られない状況にある。 一方、日本企業のほとんどが、保安管理システムや労働安全衛生マネジメントシステム、レスポンシブルケア、ISO9001、ISO14001、ISO45001 (OHSAS) など法制度に則った仕組みや世界標準に関わる仕組み等に対応している。 たくさんのマネジメントシステムがあり、複数のシステムに対応している企業やそれらを纏めたシステムを考えている企業もある。 一度、日本においてもSafety Managementの全体を描き、何が問題なのか整理するタイミングに入ったといえる。

1.目的

世界に通用するプロセス安全管理ガイドラインを構築するための準備を行うための枠組みを検討して、2年後にガイドライン作成を開始することを目的として準備する。
WGの活動内容は、

リスクを基準とする安全マネジメント」とは、マネジメントのGuidelineの必要性

- リスク基準の意味付けを明確にする。

- 人が何か行動するときに、ルールに則って行動する。現実に生じる様々な事柄をどのような<ルール>の下で考えるべき問題なのかを、日々自覚的、無自覚的に問いながら、どのような行動をとるべきかを、人は検討し、判断している。この一連の作業は、事柄を<ルール化して考える>作業といえる。これらの考え方に沿いながら、Guidelineの作成、そして利用者が共通認識を持つための議論を進め、以下のようなGuideline作成の準備に入る。

プロセス安全管理に関わる海外で経験した「安全関係審査等で問題となった、あるいは、気になった項目」や日本国内において「社内でプロセス安全管理を検討しているときに、疑問を持った項目等」を洗い出し整理する。これらの議論は、自主管理を行うときに必要な項目を挙げることに他ならない。

整備目的・方針等のコンセンサスを取り、枠組みを明らかにする。この議論には、Guideline 内容やGuideline整備を行う手順等について明らかにする。

現在、安全部会のWGでCCPSのGuideline for Risk-Based Process Safety (RBPS) を翻訳していますが、来年の夏頃には全体像が見える予定で進められています。そのRBPSも参考の一つであり、各社で行っている保安管理システム等も参考にしながら、Guidelineの在り方について議論を進めて、その枠組みとアプローチについて纏めることが、本WGの目的です。'日本流の良さ'を出したいという希望もありますが、その特徴とは何かを明確にしながら、原点に立ってGuidelineが具備すべき項目を最初から議論するもので、そのために、詳細項目がGuidelineに整合性良く埋め込まれない可能性もあります。本WGは、'目指すPSM'の切っ掛けを作るものであり、この後いくつかの段階を経て(継続のWGとする可能性あり)最終的に活用できるGuidelineを目指す予定です。

2.期待する成果

「安全管理システムのガイドラインの枠組み」と「そこに含まれるサブ項目のおおよその内容」を提案する。

3.参加者

プロセス安全管理に関心のある化学系企業・エンジニアリング企業、大学や公的機関等に属する研究者、積極的に関心を持つ技術者や公的機関に属する人。 参加いただく方々には様々な角度から議論を行うことになり、若干の作業奉仕等をお願いすることがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

4.期間

平成29年4月~平成30年10月頃まで 期間は、1年半を予定していますが、翻訳作業や本プロジェクトのスコープ調整の進捗により、実施期間が変化するかもしれませんが、ご承知ください。

5.開催場所

第1回会合を、都内で4月連休の前(24日~28日)を予定しています(ご相談の上決めます)。   

6.WGの活動予定とルール

Ⅰ.スケジュール

1.参加者募集:3月終わり頃

安全部会のHPを通じて、募集することになります。 一方で、皆様がご存知の方に働きかけて、参加者を集めることも必要と思います。特に、どの企業もプロセス安全管理システム(保安管理システム、あるいは労働安全マネジメントシステム等)を構築するために日々活動されているときに、抱かれた'素朴な疑問'や海外で出くわした'問題(委託したコントラクターが持った疑問'などの意見を集めるためには、必要でしょう。
2.本WGのキックオフ:5月連休明け

趣旨やアプローチについての議論:数回 参加人数を特定できていない段階でMTの詳細を決めることは困難ですが、ここでの議論を踏まえて、MT実施頻度決める(例えば、最初の段階は1/月、その後は適宜)
3.WG最終報告:早くとも1年半先の適当な時期

安全部会に提出します。その内容は、公開することになります。

Ⅱ.MT場所等

1.人数・開催頻度等を勘案して、適宜場所を探します。

Ⅲ.費用等

「活動は活発に、年間経費を最小限に抑えることを、モットーにします。」

  1. 会議場所については、部会が費用を負担します。
  2. 参加者の内、企業等組織に属している方は、組織の負担でお願いします。大学や定年を過ぎ費用負担を 求めるところがない場合、部会で支援します。ただし、資料作成や会議出席等の労働対価は支払いません。
  3. 資料購入等の費用は、予めWGで申請し、認められた場合に、費用を部会で負担します。

7.連絡先

 安全部会事務局 南川 提案者 仲 勇治