1.趣旨
工業化プロセスにおける研究開発では、目的とする製品を製造するための反応式、安全性評価、プロセス設計などの諸般の要求事項を明確にしているが、必ずしも設備設計・運転や保全が必要としているデータが取得されているわけではない。一方、研究開発で得られたデータの全てが設計・調達・建設部門に十分に伝わることはなく、また、活用しやすい形になっているとは言い難い。そのため設計・調達・建設部門では常に情報の不足が発生し、安全性や性能面において不具合が発生する傾向にある。さらに、運転や保全における要求事項が不明確であるために、研究開発でそれらデータが取得されておらず、十分な知見のないまま運用されているケースもある。したがって、研究開発からプラント設計に至る業務分析し、標準化モデルを作成することにより、プラントのライフサイクル全般に亘り安全化、効率化することが期待できる。
本WGでは、参加メンバー企業のプラント立ち上げ例を基に、効率のみならず安全性を高めるための標準モデル構築を目的とする。
活動期間は3年間とする。
2.研究内容
本WGは、研究期間2年間の予定で、以下を目指します。
①研究開発で行われる業務に蓄積されている情報と、設備設計・運転や保全が必要としている情報を対象とする。
②研究開発から設計・調達・建設部門への情報伝達について具体例を挙げて、共通点、相違点を抽出する。
③相違点の取捨選択、共通点の抽象化等を踏まえて、情報伝達過程、要求される技術基準を明示化するための、標準モデルを構築する。
④小規模な例題を作り、構築したモデル上でトレースを行い、モデルの検証及び修正を加える。
⑤石油化学、合成ゴム等から、炭素繊維、電池電子材料等のファインケミカルまでの幅広い分野を研究する。
3.世話役
Rafael Batres(豊橋技術科学大学)
大塚 輝人(労働安全衛生総合研究所)
池田 道弘(三菱化学株式会社)
4.2012年現在の状況
2012年4月から活動を開始し、現在2ヶ月に1回、東京にてWGを開催しています。